その日は珍しくE君からのお誘いで、夜8時に表参道の交差点で待ち合わせ。育ちのいいE君のセッティングだから、
どこに連れて行かれても良いようにディオールのワンピとマロノのサンダルでキメてみた。
E君の愛車アルフアロメオスパイダーが目の前に停まり、中から紺ジャケでキメたE君が出てきた。
「ビンゴ!やはり高級レストランかしら・・。」
さりげなくドアをあけて私を誘う、いつもながらスマートなレディファーストに気分が良くなる。
「今日はどこに連れてってくれるの?」その質問にも爽やかなほほ笑みを返すだけ。

車は渋谷を抜け南へと向かった。
着いた先は、再開発地区の5つ星高級ホテルだ。
E君は無言のまま地下駐車場にスパイダーを滑りこませた。
私のアタマにはとっさに、「まず、高級ホテルにCHECK IN
→向かいの3つ星フレンチでお食事コース」が浮かんだ。
(いよいよ私に本気でなっちゃったのね、カワイイ。)なんて口元が緩んでいた。
地下2Fに車を止め、フロントに向かうエレベーターに乗る。
もちろんフロントは1Fなのだが、なぜかE君はB1Fのボタンを押した。
チンッ、すぐに扉はひらきフロントに向かう・・・ハズ?
地下1階は、バンケットルームになっていて、もちろんこんな夜遅くには人はいない。
E君は私の手をつないだまま、慣れた様子で会場横の女性トイレに入っていった。